いわゆる安保闘争で日本国中が揺れ動いた昭和35年、警備に従事する警察官が反対派等から悪者扱いされ、多くの負傷者を出しながらも黙々と任務を果たしているその姿に感動した有識者(NHK会長阿部眞之助、政治評論家細川隆元等)が、「これでは警察官があまりにも気の毒だ。我々だけでも警察官をバックアップする組織を作ろう。」と有志に呼びかけ、昭和35年7月30日東京に警察官友の会が誕生しました。
これに遅れること10年、この間、我が神奈川県が決して平穏無事に過ぎていた訳ではありませんでしたが、昭和46年になって有志により結成準備が進められ、具体化しかけた矢先の同年9月、成田空港警備に従事していた本県警察官が反対派の襲撃を受け、殉職者3名負傷者多数を出した痛恨事(東峰十字路事件)が発生しました。この事件に衝撃を受けた発起人等が結成準備を急ぎ、昭和47年2月14日、480名余の会員を集めて設立総会を開き、神奈川県警察官友の会が発足しました。
この時採択された設立趣意書には、「神奈川県を住み家として、この地域社会の平和と安全を希う私たちは、職務とはいえ献身的な努力によって社会の秩序を守り、私達の日常生活の安寧確保に任じておられる警察官各位に対し、一県民として心から感謝し、支援し、激励するため、広く識者に訴えて神奈川県警察官友の会を結成いたしたい」と記されております。当時の荒れた世情の中で、「警察官の友人」を口に出して唱えることが、どれほどの勇気を必要としたかは容易に推察することができます。
この趣旨に賛同した会員が、今や法人、個人合わせて4,000名余の会員を擁する組織に発展しました。